ABOUT NASCAR
NASCARの紹介
NASCAR(National Association for Stock Car Auto Racing, 全米自動車競争協会)
アメリカ合衆国で最大のモータースポーツ統括団体であり、同団体が統括するストックカーレースの総称でもある。
NASCARは、四輪市販車をベースに改造を施した車両(ストックカー)のレースであり、主に北米大陸で行われる
独自のレースカテゴリーである。カテゴリーはスプリントカップを頂点とするピラミッド構造となっている。
スプリントカップ、そしてスプリントカップの年式落ちの車を使用するネイションワイド・シリーズ、
ピックアップトラックベースの車で争われるキャンピング・ワールド・トラック・シリーズの3カテゴリーは特に
「3大カップ戦」と呼ばれ最上級カテゴリーとして扱われる。
その下には「Dodge Weekly Racing Series」と呼ばれるカテゴリー、「Regional Racing Series」と総称される
各地域ごとのカテゴリーが存在する。なお使用される車の細かいレギュレーションはカテゴリーによって異なることが多い。
またNASCAR以外の競技団体(ARCA等)が主催するストックカーレースも、その多くが実質的に3大カップ戦への
ステップアップカテゴリーとして機能している。日本からは過去に福山英朗がウインストンカップに参戦し、
2003年には日本人として初めてウインストンカップの決勝に進出している。また2005年からは服部茂章が
クラフツマントラックシリーズへの参戦を開始し、2008年からはチームオーナーとして自らのチームを率いることとなった。
【誕生】
NASCARのルーツは20世紀前半、主に広大な平地を有するアメリカ中部以南で行われていたアマチュアの自動車レース。
そして直接の発祥となったのはフロリダ州のデイトナ・ビーチにて互いの腕を競い合うため、各地の実力者達が集って
催されたストックカー・レースである。やがて競技ルールの平定が求められるようになり、
1947年に同地で全米自動車競争協会(NASCAR)が発足。翌年には早速公式レースが開催され、
数日後には同協会の法人化への手続きも完了して、その後は同地域を中心に競技が行われ続けた。
【デイトナ・ビーチからテレビ放送へ】
1980年代へ入ってNASCARのファン達はデイル・アーンハートらのレースを観客席、あるいはリビングで固唾を呑み見守った。
その後1989年にはウィンストン・カップ全戦のテレビ放映が開始、完全に興業の主体がテレビ放映へと移行する。
【エンターテイメント性】
近年は同シリーズにとって目下のライバルであったオープンホイール競技団体の分裂もあり、最高峰シリーズの看板スポンサーが通信企業に変わった現代でもNASCARの人気は増加傾向である。そしてメディアの発達もあり全米の子供達のアイドルとなって、さらには3世代のファンとドライバー達も登場した。2004年からはファンの納得できるチャンピオンの誕生と、シーズン後半の消化試合をなくす目的でチェイスが導入されている。また安全面では2001年のデイトナ500以後、対策が積極的に思案されるようになった。
【コース】
NASCARは日本やヨーロッパのレースとは大きく異なっている。その理由は、アメリカンスタイルのオーバル型をした
オーバルコースを走る点である。1周0.5mileマイルのショートオーバルから、2.66mileのスーパースピードウェイのコースを
ひたすら超高速で走る。
【車体】
競技用四輪車としては非常に重く、レギュレーションによって最低重量は3,450ポンドと規定されている。
レースの成り立ちがアマチュアによる市販車レースであったため、NASCARはコスト高騰を極端に嫌うため、
高価なチタンやカーボンファイバーの使用を禁止しており、結果として軽量な車体を作ることができない。
また、外見は市販車をイメージさせるもののシャシーはパイプフレーム、ボディは金属板を車らしい形になるよう貼り付けた物で、
各ライトはスプレーやステッカーで塗装してそれらしく見えるようにしたもの・ドアはなく乗り降りは窓から行うなど同名の市販車とは
全く共通点はないスペシャルマシンである。またタイヤもアルミホイールやマグネシウムホイール等の軽量ホイールを使用せず、
スチールホイールを使用し、かつレーシングカーによく見られるセンターロックホイールではなく、昔ながらの5穴ホイールである。
各車輌ごとに決められたテンプレートをあてがう事によって、空力的な違反が無いか細かくチェックしている。
【エンジン】
エンジンは近年では珍しい存在となりつつあるOHVで、なおかつキャブレターを使用している。
供給は当然米ビッグスリー(GM、フォード、クライスラー)であるが、近年トヨタが積極的な参入姿勢を示しており、
2001年からセリカで下位カテゴリーへの参入を開始したのを皮切りに、2004年からはクラフツマン・トラック・シリーズに
タンドラで参戦している。また2007年からはカムリでスプリントカップ・シリーズ、ネイションワイド・シリーズの
両シリーズに参戦している。
【安全対策】
現在ではオーバルコースの外側に緩衝帯が設置されている。デイル・アーンハートの2001年のデイトナ500での
死亡事故の後にはHANSの着用も義務付けられた。さらに2007年からは、カー・オブ・トゥモローと呼ばれる新型車が
スプリントカップシリーズにおいて採用され、より安全性が強化された。ルーフフラップによって、スピンの際に
車体が浮き上がらないようになっている。
【フルコースコーション】
基本的にはクラッシュ時や大きな物が落ちた時に行われるが、レースがあまりにも単調な場合、
観客が落とした紙コップなど些細な物でもコース清掃のためにフルコースコーションを出す。
これはリスタートの緊張感を含めたレースに変化を出すためである。
【ラッキードッグパス】
NASCARでは単独走行でタイムを稼ぐのは非常に難しいことから導入された制度、フリーパスとも呼ばれる。
フルコースコーションが入る際「周回遅れの最上位」のマシンは1周増やされ「トップと同一周回の最下位」へと戻される。
そのためトップの争いだけでなく、ラッキードッグパスを巡る争い、そしてラッキードッグパスを貰ってからの追い上げ
という3つの争いが激しくなり、エキサイティングなレース性に拍車をかけている。
【コンペディションイエロー】
レースウィーク中に雨などのトラブルで走行周回が稼げない場合、決勝の序盤で提示されるフルコースコーション。
ピットイン自体は任意であるが、タイヤの摩耗などを確認するため4本交換+シャーシーアジャストを行うのが通例。
【ピット関連】
コーション中、ピットレーン解放直後の周回はトップと同一周回、1周後に周回遅れのマシンが入れるようになる。
が、序盤でのコーションではほぼ全車が入ることになり大混乱をきたす。そのためピットボックスへの入り方など
ドライバーサイド、ピットクルーの素早さなどクルーサイド両方の腕が要求される。
【リスタート】
フルコースコーション明けのリスタートは「アウトラインにトップと同一周回、インラインに周回遅れのマシン」
という整列で行われる。リスタート直後は混乱からクラッシュ→再度フルコースコーションが起きやすい事から、
インラインでトップを押さえたままフルコースコーションが発動すれば周回遅れを挽回することができ、
逆転のチャンスが生まれることになり、上記のラッキードッグパス同様にエキサイティングなレースを演出している。
【グリーン・ホワイト・チェッカー】
本来コーション中にゴールしてしまうタイミングでアクシデントによるフルコースコーションが入った場合でも、
コーション中ゴールとはせず「グリーンフラッグでレースリスタート→次の周回でホワイトフラッグが振られ
ファイナルラップへ→チェッカーフラッグでゴール」となるようレース自体が延長される。最後の最後の差し合いを演出するための処置。